求人広告の見極めポイント【飲食の転職】 - 社会保険「あり」と「完備」の違いとは?

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「そろそろ転職を考えてみようかな。」

転職をお考えのほとんどの方が、なにかしらのかたちで求人広告を目にされるかと思います。

 

転職活動において求人広告は、その企業・お店の雇用条件に関わる事項が記載されている重要な判断材料です。

ご覧になるとしたら、どの項目や文言に注目されますか?

 

実は、この求人広告。

記載されているものを読んで自分が想像した条件とは違っていることに、転職した後で気づくケースも少なくありません。

 

今回は、求人広告の見極めポイントのひとつである、社会保険についてまとめました。

 

多くの求人広告では、社会保険の記載について「社会保険完備」または「社会保険あり」といった表現が使われています。

一見どちらも同じような表現にみえますが、意味合いが違うことがある、というお話です。

 

 

 

そもそも社会保険とは?

この説明をする前に、「そもそも、社会保険って実はよくわからない」という方もいらっしゃると思いますので、まずは簡単に確認しましょう。

 

はじめにご理解いただきたいのは、「社会保険」とは広い意味で総称した保険を指す場合(以下、広義の社会保険)と、狭い意味で総称する場合(以下、狭義の社会保険)があるということ。

 

広義の社会保険は、下記の5つの保険の全ての総称のことです。

 

健康保険(医療保険)…病気やケガによる通院・入院・長期休業、出産、育児休業に関する保険。

 

厚生年金(年金保険)…老後や障害状態になった場合の生活保障に関する保険。

 

介護保険…40歳以上の人が加入する保険。介護が必要な場合に、費用の一部を負担することでさまざまな介護サービスを受けることができる。

 

雇用保険…失業時の生活保障に関する保険。

 

労働補償保険(労災保険)…業務に関わる病気やケガに対する保険。

 

以上5つの保険が、広義の社会保険の中身となります。

 

 

それに対し、狭義の社会保険を指す場合は、健康保険・厚生年金・介護保険の3つの保険だけの総称となります。

その場合、残りの2つ、雇用保険・労働補償保険は労働保険と総称されます。

 

図に表すと、このようになります。

社会保険

ここまでが社会保険の簡単な説明です。

 

 

 

狭義の社会保険が備えられていない場合は、ある!

さて、「社会保険あり」と「社会保険完備」の記載の違いに話を戻していきます。

 

基本的に従業員が一人でもいる企業・個人経営の事業所は、労働保険への加入は法律で義務付けられています。(除外される場合の細かな条件もありますが、ここでは省略します。)

 

しかし、狭義の社会保険については義務づけられていないケースがあります。

このケースというのは、お店が個人経営の場合です。

 

一般的には、法人または労働者が5人以上いる個人経営事業所は、強制的に狭義の社会保険にも加入することが義務づけられています。

ですが、飲食業の場合は例外となっており、個人経営の飲食店については従業員の人数に関係なく、社会保険の加入は任意となっているのです。

 

 

狭義の社会保険加入

 

 

よって、個人経営の飲食店の雇用条件には、狭義の社会保険が全て備えられていないケースもあり得るということです。

 

 

ここで一度お断りしておきたいことは、必ずしも狭義の社会保険が全て備えられていることを基準に、求人案件を選定するという方法が良いということではないということです。

貴重な経験を積むため、雇用条件にこだわらず憧れの個人経営店で修業をするというキャリアを選択する方が、その方にとってベストなことも大いにあり得ます。

 

ここから先の、社会保険有無の見極め方についてのお話は、社会保険への加入を期待していたのに実際それが叶えられなかった、、、という事態を避けていただくためにお伝えいたします。

 

 

 

「社会保険完備」と「社会保険あり」

“完備”とは全てが備わっていること。

つまり、「社会保険完備」と記載されている場合は、その“社会保険”が広義を指そうと狭義を指そうと、5つの保険が全て備わっていることになります。

 

これに対して「社会保険あり」という記載。

“あり”という表現の場合、いずれかの保険があるという意味合いになることが多いので、必ずしも全ての保険が備わっているとは限りません。

ということは、“社会保険”が広義のものを指している場合、実際は労働保険しか備えられておらず狭義の社会保険は備えられていない、ということもあり得るということです。

 

社会保険への加入を転職先探しの条件としている方は、「社会保険あり」の記載があった場合、よく状況を確認しておきましょう。

 

 

 

求人広告で全てはわかりません。

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今回は求人広告における社会保険の記載方法についてのお話をいたしましたが、求職側と求人側で条件定義の認識にズレが発生するケースは、これに限りません。

少しでも気になることがあったら、企業研究や面接での質疑応答のなかでクリアにしていくことをオススメします。

 

 

転職して実際に働いてみると、「こんなはずではなかった。」と思うことは、誰でも少なからずはあると思っています。

しかし、そのズレを最小限にしていく作業が転職活動において重要であるということを、忘れないでくださいね。