生産者と消費者、つなげるのは料理人 - 「美味しい料理をつくる」を超えたミッション

皆さんのお店では、料理につかう食材をどのように選定していますか?

料理人の皆さんのなかには、生産者の方々と直接の関わりを持ち、自ら生産地へ足を運んで素材の良さを確かめながら、食材を選びレシピを作り上げている方もたくさんいらっしゃると思います。

 
生産者から提供された良い食材を使い、美味しい料理をお客様に提供するのが料理人の一番の役目だと思いますが、最近ではその役割の枠組みを超え、食材を提供してくれる生産者とお店のお客様や地域の方々(消費者)を巻き込んでいく新たな活動をはじめた料理人の方々が増えてきたようです。

 
今月上旬にも、そのようなイベントが開催されていましたので2つ程ご紹介します。

 

 

料理人たちの新たな活動

 

三重の生産者と東京の消費者をつなぐグルメツアー

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http://prtimes.jp/

「懐石割烹伊勢すえよし(東京・西麻布)」の店主である田中佑樹さんは、あるテレビ番組をきっかけに、自らがお世話になっている三重の生産者とお店のお客様をつなぐグルメツアー企画を実現したいと強く思ったようです。

 
その番組は、プロの料理人がキッチンカーに乗って生産地へ足を運び、とれた食材で作った料理を生産者に振る舞うという内容のもの。自分も、生産者の方々に生まれ変わった食材を食べてもらいたい。それだけでなく、お店のお客様にも食材の原点を体験してもらったら喜んでもらえるのではないか。そのように考え、今回の企画に至ったとのことです。

 
ツアーは「第一次生産者の心を学ぶボランティア&スタディツアー」と題され、4月29日から5月1日の三日間にかけて開催されていました。生産者の元で茶摘みや農作業を体験し、その食財(伊勢すえよしでは食材を「財産」と考え、食「財」という言葉を使用しているとのこと)を使ったプロの料理を囲みながら交流するという内容。

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http://prtimes.jp/

「こんなに大切に育てられて生産されるのだということを知ることができ、しかも生産物を生産者と一緒に食べることが出来るという経験は初めてだった。(消費者側)」

「大事に大事に育てている。だから値段も高くなる。こだわって作っている商品だから、それを理解して喜んでくれるお客さんとの出会いは嬉しい。(生産者側)」

参加者それぞれからは、このような嬉しい感想が挙がったようです。

 

 

地元の食材がテーマの料理フォーラム

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http://www.liner.jp/

旭川では、「ル ビストロ メランジェ(北海道・旭川)」のオーナーシェフ河原正典さんを中心に旭川の料理人や生産者、ソムリエ達が集結し、地元の食文化の発展と向上を目指す「クラブサルセル」という2007年に発足したチームがあります。

 

そのクラブサルセルが主催する「第1回クラブサルセル料理フォーラム」というイベントが、58日に「パティスリーサロンドール(旭川市)」にて開催されたとのことです。イベントの内容は、地産の食材を用いて料理人たちが腕を振るうことで、地元の食材にもっと愛着を持ってもらおうという企画。今回のテーマはイチゴだったようです。

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http://www.liner.jp/

参加者たちは素材選びの方法や家庭でできる調理方法についてのレクチャーも受けながら、3人の料理人の料理を堪能したり、野菜ソムリエによる品種の違いの解説や地元食材の生産者の話に熱心に耳を傾け、楽しんでいた様子だったようです。

 

 

「美味しい料理を作る」を超えたミッション

ご紹介したイベントを開催した料理人の方々には、共通して掲げるミッションがありました。

それは、料理人として、「生産者と消費者をより密接につなげる架け橋になる」ということ。

 

生産者の方々のなかには、自分が作った食材が最終的にどのような料理になって提供されているのか、消費者は自分がつくった食材に対してどのような感想を持っているのか、というところまで知らない方は少なくないようです。

また、消費者側についても、自分の食べている料理の食材はどんな生産者がどのような想いをもってつくっているのか、ということまで知っている人は少ないでしょう。

 

そんな両者の「知らなくて当たり前」という感覚に対して気づきを与えたのが、今回ご紹介したような料理人の方々の新しい活動です。

生産者と消費者が直接対面する場を設け、プロの料理を通じて会話を交わしてもらうことで、それぞれの食文化への興味をさらに引き出すきっかけを生み出しました。

 

 

生産者と消費者、その間にいる料理人だからこそできたこと。

料理人という仕事は、お店で美味しい料理を提供するだけでなく、作り上げる料理を通じてたくさんの可能性を実現していける仕事なんですね。

 

 

[参考サイト]

PR TIMES

http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000018607.html

ライナーウェブ

http://www.liner.jp/news/201605093889/